毎日でなくていい「1日おきに週3回」のウォーキングでOK

運動をするなら毎日30分以上やらなければ効果がない

そう思い込んでいる方が多いようなのですが、これは誤解です。
 
この30分という運動時間は、「体脂肪を減らすための運動」の推奨時間。一般的なテレビや雑誌ではダイエット目的の運動を紹介することが多いため、「30分」という運動時間が一人歩きして伝わってしまったのでしょう。
 
血糖値改善が目的の運動であれば、運動によって糖の代謝が良くなれば、まずはOKです。
 
運動中のエネルギーは、主に糖質と脂質です。糖質は、筋肉細胞に蓄えられているものや、血液中の糖が即使われますが、脂質は、脂肪組織に蓄えられている体脂肪が分解されて、筋肉細胞まで移動してきてから使われるため、時間がかかります。
 
運動を開始してから、大体20分間は糖質が使われる割合のほうが多く、20分を過ぎると脂質の使われる割合が増えていきます。
つまり、糖を使うことが目的の運動であれば、最低10分間やれば、それなりの効果が期待できるということです。
 
ただ、糖尿病の方の中には、体脂肪を減らしたほうが良いケースが多いので、できれば30分間、運動のために時間を使っていただくと、早い効果が望めるでしょう。
 
時間的、あるいは体力・気力的な問題で、30分継続して行なうのが難しい方もいるでしょう。
もし、そうであれば、朝10分、会社の昼休みなどに10分、夕食後に10分で1日の合計が30分となるようなパターンでも構いません。細切れの時間をうまく活用して、運動量を増やしてみてください。
食前よりも、食後30分~2時間くらいまでの、血糖値が上がっていく時間帯に運動すると、より血糖降下作用が発揮されます。

毎日行なうのが難しければ、まずは週に3日を目指しましょう。

連続した3日よりも、たとえば火・木・土といったように1日~2日おきに定期的に続けるのが、糖尿病予防の運動のコツです。と言うのも、運動による「GLUT4(グルットフォー)」の筋肉への糖の取り込み効果が持続するのは2~3日で、運動しないとせっかく活性化した状態が元に戻ってしまうからです。
 
この理由から、「週末にまとめて」というやり方も、効果の低いことがお分かりいただけるでしょう。
 
運動時間と共に大切なのは、どんな運動をするかという点。糖尿病や糖尿病予備軍の方には、「有酸素運動」が有効です。
「有酸素運動」とは、息切れするほど激しくなく、十分な呼吸しながら軽く汗ばむ程度に行なう運動のこと。
体に過度の負担をかけず、全身の筋肉をまんべんなく使いながら、ある程度の運動時間を継続できるところが特徴です。
 
具体的には、ウォーキングやジョギング、自転車、水泳、ラジオ体操などが挙げられます。(ちなみに無酸素運動とは100mダッシュなど、ほとんど呼吸をしない運動のことですので想像しやすいかと思います。)

ウォーキングのメリット

誰でも簡単に、思い立ったときに出来て、生活の中にも取り入れやすいという点では、ウォーキングがもっともお勧めです。ウォーキングには、

  • 心肺機能の向上
  • 血液循環の促進
  • スタミナの向上
  • 抑うつ効果
  • 骨が丈夫になる
  • コレステロールの減少

 
など、数多くのメリットがあります。
特に、「心肺機能の向上」「血液循環の促進」「コレステロールの減少」は、高血糖による血液や血管へのダメージを減らしたり、インスリンの作用を向上させたりするためにも、嬉しい点と言えます。
 
正しく、より効果をアップさせるウォーキング法は次項でご紹介しますが、まずは、通勤の際は一駅手前の駅で歩く、車や自転車で行っていた買い物に歩いて行く、昼食後に気分転換も兼ねて散歩する、エレベーターやエスカレーターの使用をやめて階段を使う……などして、歩数を稼ぐようにしてみると良いでしょう。 
これまでよりも、1日2000歩多く歩くようになれば、かなり体調も違ってくるはずです。
 
理想は「1日おきに週3日、30分のウォーキング」。
これを目指して、少しずつ体力をつけ、運動時間と運動量を増やしていってください。