「運動が禁忌(きんき:ダメなこと)」なケースもあるので事前確認を

運動が血糖コントロールに有効なのは確かですが、場合によっては、運動をすると危険なケースもあるので、注意が必要です。
 
ガイドラインにおいては、空腹時血糖が250㎎/dl以上とかなり高い場合は、「運動が禁忌」とされています。
運動の途中で、意識の混乱、頭痛、震え、動悸、激しい空腹感といった低血糖の症状を引き起こす危険があるためです。
 
この場合は、食事療法である程度、血糖値を下げてから運動となるのが治療の基本です。
とは言え、様子を見ながら、少しずつ運動を取り入れたほうが治療に有効なことも多いので、必ず事前に主治医とご相談の上、取り組んでください。
 
そのほか、運動に取り組む上で、医師のメディカルチェックを受けたほうがいいのは、次のような方です。

  • インスリン注射や内服薬などの投薬治療を行なっている
  • 高血圧
  • 網膜症や腎症などの合併症がある
  • 極度の肥満
  • 運動に関して1年以上のブランクのある中高年の方

 
決してキツくない軽い運動と言っても、自己判断は禁物です。
楽しく実践し、良い効果を得るためにも、安全には十分配慮して行いましょう。
 
また、上記の項目に問題がなくても、運動途中で、次のような症状が出たら、ただちに中止してください。
 

強い頭痛が起こった

運動中は、心臓から送り出される血液量が増え、それに対応しようと血管が拡張します。
ですが、加齢や生活習慣による動脈の老化が進むと、血管の柔軟性が失われ、急激な拡張に耐えられず、頭痛が起こることがあるのです。
無理をして運動を続けていると、最悪、脳卒中の危険もありますから、即中断のサインと受け止めましょう。
 

めまいや吐き気がする

心臓に大きな負担がかかることで、脳が一瞬虚血・酸欠状態になり、めまいや吐き気を引き起こすことがあります。
体のバランスが崩れており、転倒や意識障害につながる危険がありますから、運動を中断して安静にしましょう。
 
このほかにも、「冷や汗が出る」「胸が苦しい」「足がもつれる」「いつもより疲労感が強い」といった異変を感じたら、ただちに運動は中止としてください。
 
念のため、ウォーキングに出掛ける際などには、ポケットに「氷砂糖」や「キャンディー」などを入れて、運動後に口にするのも良いでしょう。
運動によって、急激に使われた糖を補い、低血糖症状を防ぐことができます。
 
注意点ばかりを並べると、不安に思うかもしれませんが、医学的な条件をクリアしている方なら、守るべきポイントを押さえて行なえば問題ありません。
では、次の項から、具体的な「運動法」についてご紹介していきましょう。